豊洲を歩いていると、いつも「豊洲IHIビル」というデカい看板が目に入るんですよね。
正直、これまでは「地元の大きい会社だなあ」くらいの感覚しかありませんでした。でも最近「IHIが3期連続の最高益を更新する見通し」というニュースを見かけて…え、地元の会社がそんなに儲かってるの?と急に気になってしまいまして。
調べてみると、防衛・航空エンジン関連の事業が好調で、決算自体はしっかり増収増益。なのに発表直後には株価が急落する場面もあったらしく、「好決算なのに株が売られる」ってどういうこと!?というギャップにもグッと興味を引かれました。
さらに掘っていくと、IHIは豊洲の再開発そのものに深く関わってきた当事者企業だということも分かってきて。これはもう、地元住民として腰を据えて読み解くしかない…と思い、今回筆を取ることにしました。
IHIってどんな会社?
IHI(証券コード7013)は、1853年創業の石川島播磨重工業を母体とする総合重工業メーカーです。本社は東京都江東区豊洲3丁目「豊洲IHIビル」。まさにご近所さんですね。
事業は航空・宇宙・防衛、資源・エネルギー・環境、社会基盤・海洋、産業システム・汎用機械の4セグメント。中でも民間航空エンジンのアフターマーケット(補修・部品供給)事業と防衛事業が、近年の業績をぐいぐい牽引しているようです。
2026年3月期の連結業績は、売上収益1兆6,434億円(前期比1.0%増)、営業利益1,655億円(同15.3%増)、親会社の所有者に帰属する当期利益1,609億円(同42.8%増)の増収増益。なんと3期連続の最高益なんですよね。会社側は2027年3月期について、売上収益1兆8,300億円(前期比11%増)、営業利益2,400億円(同45.0%増)というかなり強気の見通しを出しています。
アナリスト評価も見てみると、2026年6月15日時点でレーティングは「強気買い」3人・「買い」3人・「中立」5人、平均目標株価は3,911円(みんかぶ集計)とのこと。個社別では、米系大手証券が2026年6月16日に強気判定で目標株価3,300円へ引き上げた一方、日系大手証券は中立を維持し目標株価を2,900円に引き下げるなど、証券会社間でも評価が分かれているのが面白いところです(いずれも各社公表時点の情報なので、今後変わる可能性はあります)。
なぜ今この銘柄が話題なのか
2026年5月8日、IHIは2026年3月期決算を発表しました。増収増益かつ3期連続の最高益更新が見込まれることが好感されて、発表当日は株価が一段高に。順調…と思っていたんです。
ところが、決算発表の翌営業日である5月11日には、株価が5月8日終値3,059円から2,870円まで急落する場面がありました。え、好決算だったのに…?と思いますよね。
背景として指摘されているのは大きく2点。1つ目は、2027年3月期の利益計画に数百億円規模の不動産・資産売却益が含まれていて、これが一過性の利益である点を市場が警戒したこと。2つ目は、主要株主であるキャピタル・グループが2026年4月15〜16日に1,000万株超を売却し、保有比率を10.26%から8.86%へ引き下げたことが判明し、大口投資家の継続売却への警戒感が広がったこと。
しかもその後も売却は続いていて、2026年6月5日受付の変更報告書では、保有比率がさらに7.25%まで低下したことが判明しています。信用買い残が高水準だったことも、下落時の売りを誘発しやすい地合いを作っていたとみられているようです。
一方で事業面では明るい話も。2026年4月21日に政府が防衛装備移転三原則の運用指針を改正し、防衛装備品の輸出範囲を拡大する方針を示したこと、これは防衛事業を持つIHIにとって追い風として報じられています。民間航空エンジン事業についても、航空需要の回復・拡大を背景にアフターマーケットが伸びていて、2027年3月期の航空・宇宙・防衛セグメントの営業利益は前期比16%増の1,300億円を見込んでいるとのことです。

ここまでの論点(要点だけギュッと)
ここまで調べてみて感じたのは、公開情報からは「強気に見られている理由」と「慎重に見られている理由」が両方ちゃんと存在しているということです。
強気側で挙げられるのは、3期連続の最高益、営業利益率の改善(前期8.8%→10.1%)、そして防衛・航空という複数年にわたる成長ドライバーがあること。
慎重側で気になるのは、増益計画に占める資産売却益への依存、大株主の大量売却という需給面の不透明感(保有比率は7.25%まで低下…)、そして重工3社の中で最も低い自己資本比率(23.0%)という点です。
財務指標をもう一段深く読み解くと(EPS・配当性向・PL/BS/CF・グレアム指数・ネットキャッシュなど)、IHIの「増収率より増益率が大きく上回る」収益構造の背景や、自己資本比率の低さが意味するものが、より具体的に見えてきます。さらにマーケティング視点で見ると、IHIの事業は「入札・継続契約ベースのBtoBで収益構造は強いけれど、成長ドライバーの多くは自社でコントロールしにくい外部環境に依存する」という、なかなか興味深い構造的な特徴を持つ企業だということも分かってきました。
このあたりの詳しい数値解説(競合比較スコアリング・マトリックス、財務諸表の読み方、マーケティング視点での11項目の分析)は、続きのnote記事にまとめています。気になった方はぜひそちらも読んでみてくださいね。
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財務指標の詳しい読み方、競合(三菱重工・川崎重工)との数値比較、マーケティング視点での構造分析まで、教材として活用できる形でまとめています。
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